健康・長寿・富・無垢の宝石言葉を持つ、6月の誕生石、パール(真珠)について。
パールは鉱物ではない数少ない宝石で、古代から広く愛されています。
パールの歴史
パールが数千年も前から装飾品として愛された宝石であり、文献にある最古の記載は紀元前2200年より前の中国です。15世紀初頭にコロンブスがベネズエラやパナマに天然真珠の産地を発見し、ヨーロッパでも天然真珠の需要が高まり、ジュエリーとしてたくさんの真珠が使われるようになりましたが、乱獲や石油の掘削などによってその後それらの産地は衰退していきます。その後、数百年前に中国で真珠の養殖をしようとする動きが始まると、20世紀初頭に日本で養殖に成功したことで、現在のように養殖真珠が世界中で使われるようになりました。
パールの魅力
パールの魅力は、その上品な美しさです。淡い色合いと深みのある輝きにより、健康・長寿・富・無垢などの宝石言葉をもっていて、6月の誕生石にも指定されています。冠婚葬祭いつでも使うことがマナー上許される唯一の宝石であり、大人の証として成人した女性に贈られることも少なくありません。フォーマルな装いにこの上なく似合う宝石でありながら、カジュアルにも使うことができ、どんなファッションでも品よく仕上げてくれる万能さも魅力です。
パールができるまで
ほとんどの宝石が鉱物であるのに対して、真珠は数少ない有機物の宝石です。母貝に侵入した砂や寄生虫などの異物を、母貝が分泌する真珠層で何重にも包むことにより美しい真珠となります。養殖真珠は母貝に人工的に異物となるシェルビーズなどを埋め込むことで作り出すのです。真珠層を作るのはあくまで母貝ですので、貝を開いてみると形がいびつだったりすることも珍しくありません。また、貝の種類や採れる場所によって真珠の色や品質も異なります。最も人気の高いアコヤ真珠は、日本近海でアコヤ貝から採れるもので、神秘的で気品のある輝きを放つ乳白色の真珠です。
パールのお手入れや保管
パールは柔らかいので他の宝石と一緒に保管をしていると傷がつくことがあります。また、皮脂や化粧品の脂にも弱いので、使用後は柔らかい布で拭いてからしまうようにしましょう。
まとめ
パールは、6月の誕生石です。上品で美しい輝きを放つパールは、冠婚葬祭いつでも使える貴重な宝石ですので、大人の女性なら一つは持っておきたいジュエリーといえるでしょう。鉱物の宝石に比べると柔らかく、皮脂にも弱いのでお手入れや保管をする際は注意が必要です。